院長の気になる話
歯を失う原因の第1位?「歯周病」
更新日:2018.4.16
8割が歯周病は大げさじゃない!
ようやく春めいてきたと思ったら、桜があっという間に散ってしまい、もう新緑の季節ですね。
この時期は新年度のスタートということもあって、新たな患者さまに出会える嬉しい季節でもあるのですが(患者の皆さまにとっては、歯医者なんて会いたくない人種の上位にいるでしょうが・笑)、その新たな患者さまとの出会いで気になることがひとつ。
ご本人は気づいていらっしゃらないケースが多いのですが、実は歯周病にかかっている方が意外と多いんです。
初期症状も含めるとかなりの割合になるんですよ。
某歯磨き粉のテレビCMでも30代以上の8割が歯周病!とアナウンスしていますが、あれって決して大げさな数字じゃないんです。歯周病は高齢になるにつれて増えていきますが、最近では20代の若い人にも多く見られるようになってきました。
そもそも歯周病とは?
「意外と気づかない人も多いということは、歯周病なんて大したことないんじゃないの?」と思った方がいるかもしれません。これ、医者から言わせると、とんでもない!
歯周病は、細菌に感染することによって引き起こされる炎症性疾患です。歯と歯ぐきの境目の清掃が行き届かないでいると、そこに細菌(歯周病菌)がたまり、歯ぐきが炎症を起こす病気です。
初期段階でも炎症を起こした歯ぐきから出血がありますし、口臭の原因にもなります。さらに症状が進むと歯ぐきが下がり、ついには歯ぐきや骨(歯槽骨)が壊されて歯が抜け落ちます。また長期慢性化することで、病原性を持った細菌が血液中に入ったり、口から飲み込まれて心臓や肺などに病気を引き起こすケースだってあるんです。
現在、日本人が歯を失う原因は「虫歯」を上回り「歯周病」が第1位です。歯ぐきからの出血くらい大したことないなんて油断していたら、取り返しのつかないことになりかねません。
歯ぐきを指で押してみたり、あとは歯磨きしたときに歯ぐきから出血したら受診をオススメします。仮に出血が目立たなくても、口臭が気になる、物を噛むと痛む、歯がぐらつくといった場合も歯周病の疑いがありますので、すぐに受診してください。
出血ぐらいでと遠慮する方もいらっしゃいますが、医者に見せてもらってなんでもなければそれでいいじゃないですか。それを迷惑だなんて思う医者はいません。むしろなんでもないと放っておかれるほうが怖いんです。
ちょっとでも気になることがあるかたは、お気軽にご来院ください。
もちろん個人差はありますが、症状が軽ければ2〜3カ月で治りますので。
歯周病を予防しよう!
先ほどもちょっと触れましたが、歯周病の原因は歯と歯ぐきの間の汚れ。歯磨きがしっかりできていないとプラークと呼ばれる白っぽい粘着性の沈着物が溜まります。プラークには非常に多くの細菌が含まれていて、これが歯と歯ぐきの境目に溜まると繁殖して歯周病になりやすくなるんです。ストレスや歯ぎしり、喫煙なども原因となりますね。あと、内臓の病気、たとえば糖尿病との関連も深くて、歯周病を悪化させる大きな原因のひとつとなります。
だから歯周病を予防するには正しい歯磨きがいちばん。ブラッシングで取りきれない汚れはフロスを使ってきれいにする。
お花見のシーズンは終わりましたが、暴飲暴食、睡眠不足は歯と歯ぐきにとっても大敵です。
規則正しい生活を!なんて、自分への戒めも込めて書いておきますか。