院長の気になる話
口臭のための講習
更新日:2023.11.20
コロナ禍も一応の収束を見せたことで、マスクなしでの生活が戻ってきました。
マスク生活を強いられていた時にご自身の口臭が気になった方も多かったのでしょう。マスクなしでの生活が始まってから、口臭に関するご質問をいただく機会が増えているように思います。
そこで、今回のテーマはずばり「口臭」。
口臭の原因から予防策までお話ししたいと思います。
まず、口臭の原因ですが、これは人によって様々で、パッと頭に浮かぶのは歯周病・虫歯・歯石など口腔衛生の管理不足やニンニクなどの臭いの強い食べ物の摂取でしょうか。
でもこのほかにもストレスや加齢、口呼吸などが原因となる唾液の減少や、舌の汚れ(舌苔)、暴飲暴食、喫煙、さらには胃腸系の内臓疾患や糖尿病、肝機能低下、薬の副作用など、口臭の原因は多岐にわたります。あと、鼻疾患による口呼吸で、口腔内が乾燥して口臭が強くなるということもありますね。
これらをまとめるとざっと下記の3つに分けられるでしょう。
①口腔衛生の不良による口臭……ブラッシング不備や虫歯、歯周病や舌苔が原因となる口臭。唾液の減少により自浄作用が低下するで発生する口臭もある
②飲食物による口臭……口の中に残る臭い、あるいは臭いの元が体内に取り込まれたあと放出される臭い
③疾患による口臭……内臓疾患や鼻疾患が原因で発生する臭い
ただ、これらの口臭はなかなかご自身では判断しづらいもの。パートナーやご家族の方に聞いたり、医院によっては口臭測定器を設置している歯科医もあります(自費治療。数千円程度。当院には設置していません)ので、そちらを利用するのもいいでしょう。
では口臭は治療できるのでしょうか。
まず③疾患による口臭は、かかりつけの内科への相談をおすすめしていますが、①口腔衛生の不良による口臭、②飲食物による口臭の治療は歯科医で可能です。
①に関しては、虫歯の治療及び、歯石の除去、歯周病の治療によって改善が可能です。舌苔も舌ブラシを使い、ゆっくりとブラッシングすることで除去が可能です。
②の飲食物による口臭は、食後のブラッシングを徹底し、補助的にマウスウォッシュや歯間ブラシなどを使うのもいいでしょう。歯科医ではブラッシングの指導や、生活改善をご提案させていただくこともあります。
また口臭の予防には正しいブラッシングは基本として、ストレスをためない規則正しい生活、睡眠不足の解消、定期的な運動、そして口腔内の乾燥を防ぐために適度な水分摂取も効果的です。
口臭の予防は身近な人のため、良好な人間関係の構築のためでもありますが、ご自身の口腔環境、健康維持のためでもあります。
自分では気にならないからといって放置するのではなく、一度かかりつけの歯科医で確認してみてはいかがでしょうか。
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